薄毛は男性だけの問題ではなく、薄毛で悩む女性も増えています。女性のFAGA(女性男性型脱毛症)治療のクリニックが増加傾向にあることからも頷けます。
男性のAGA治療では、プロペシア(フィナステリド)、ザガーロ(デュタステリド)、ミノキシジルタブレット(内服薬)、ミノキシジル外用薬が広く知られています。
男性の薄毛の大きな原因はDHTであることが解明されているため、これらのAGA治療薬が使われています。
しかし、女性は性の違いから、薄毛の原因が男性とは違いがあります。そのような理由から、女性のFAGA治療に使われる医薬品も異なります。(一部は男性AGA治療薬と同じ)
女性は男性とは違ったホルモンバランスの世界で生きているため、ここで女性のホルモンについて確認しておきたいと思います。
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女性のホルモンバランス
女性のFAGA(女性男性型脱毛症)の複数の原因の1つとして、ホルモンバランスの乱れが考えられています。
女性ホルモンは大きく「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2つ。これらのホルモンはそれぞれ役割が異なります。
エストロゲン
エストロゲンは女性らしい体つきや美しい肌と髪を保つ役割を果たしています。そして、女性の心身の両面の健康を支える役割があります。
プロゲステロン
プロゲステロンは妊娠のために女性の体を整える作用があります。体温コントロールや子宮内を適切な環境に保ち、妊娠から出産、出産後の母乳分泌を支えています。
女性ホルモンの分泌(ぶんぴつ)は30代前半までがピークで、それ以降、女性ホルモンの分泌は低下していきます。そして、閉経年齢(49歳前後)から女性ホルモンの分泌が急速に低下していきます。
医学的にも当然の事ながら、女性の体は30代前半までに妊娠、出産するような仕組みになっています。あたかも体内時計、体内スケジュールが女性に組み込まれている印象を受けます。
分泌(ぶんぴつ、ぶんぴ)
細胞が代謝産物を排出すること。狭義では、分泌活動を専門的に行う腺細胞が集まって腺を形成し、分泌物を排出することをいうこともある。 この意味では特に動物個体のレベルで、体外または体腔に出す外分泌(exocrine)と体液に出す内分泌(endocrine)に分類される。
出典:Wikipedia
女性を「花(被子植物)」に例えるならば、蕾(つぼみ)の状態からキレイな花を咲かせます。
すると、ハチやチョウ、ガがどこからともなくやってきて、花の蜜を吸い始めます。また花粉も彼らの食品。昆虫が花びらの中で動くことで、足や体に付着した花粉がめしべに付着し、花は受粉できます。
受粉後、それが種となり子孫を繁栄させていきます。
花は香りと色で巧みに昆虫を引き寄せます。そして、花は相手にメリットを与えることで受粉でき、子孫を残すための究極とも言える構造。
話を戻しますと、女性の体内には微量の男性ホルモンも分泌されています。
女性の体は絶妙とも言える微妙なホルモンバランスで成り立っていて、驚異のメカニズムと言っても過言ではありません。
女性は加齢と共に、女性ホルモンの分泌が低下していきますから、体内の女性ホルモンと男性ホルモンのバランスが乱れがちになります。
これがFAGA(女性男性型脱毛症)の原因の一つと考えられています。
ミノキシジル
ミノキシジルは大きく内服薬と外用薬に分かれます。どちらも発毛促進が目的の医薬品。
内服薬(ミノキシジルタブレット)
外用薬(ローションタイプ)
女性の薄毛の中で「びまん性脱毛症」が比較的多いとされ、頭髪が全体的に薄くなっていきます。
このFAGA(女性男性型脱毛症)にはミノキシジルが用いられます。
服用タイプのミノキシジルタブレットは元々は血圧を下げるのが目的の医薬品でした。ところが、服用している患者さんから体毛や頭髪の発毛が数多く報告されたため、ミノキシジルタブレットが発毛のための医薬品として使われるようになった経緯があります。
ミノキシジルタブレットの副作用
ミノキシジルタブレットの服用により、多くの発毛結果が報告されていることからも、男性と女性の薄毛に効果的な治療方法です。
もちろん、医薬品である以上、副作用はゼロではありません。また、副作用は個人差があるため、ネット上の記事を鵜呑みにしてしまうのは得策ではありません。
ミノキシジルタブレットの服用で患者さんによっては体毛が増加したり、血圧の低下、肝臓に負担がかかるケースはゼロではありません。
女性の中で脱毛クリニックや脱毛サロンでムダ毛の手入れをしている方も多いです。女性の目に体毛の増加なんていう言葉が入ってくると、女性としては「エーッ!」となりますよね。
それで、FAGA(女性男性型脱毛症)治療に足が遠のいてしまうかもしれません。
FAGA治療では、定期的にAGAクリニックに通院して医師の診察を受けます。ミノキシジルタブレットを服用していて、もし体毛が気になり始めたら、クリニックの担当医に相談することです。
FAGA治療中、医薬品の副作用は個人差がありますし、何か気になる点があれば担当医に相談することで、適切に医薬品をコントロールしてくれます。
AGA、FAGA治療は中長期的に治療薬と医師と上手に付き合っていくことで、発毛を促進していく治療。担当医と上手くコミュニケーションするのも治療の一つと言えるのではないでしょうか。